黒尾くんの告白は起きてみたら夢だったんじゃないかなと何度も考えた。 でも私の想いとは裏腹に、夢ではなくって毎日毎日悩んだ。 いつまでも待ってると言ってくれた彼だがまだ高校生だし、きっとこの先出会いもたくさんあるのに、私という存在が黒尾くんにとっていい出会いを潰してしまうんじゃないかと不安に襲われて。気がついたら衛輔に電話をかけていた。 時間も時間だし出ないかな?と思い電話を切ろうと思ったら、恵姉ちゃんどうしたの!と大きな声で電話に出てくれた。 「衛輔、今…ちょっと大丈夫?」 あーと少し考えた後で、部活終わって帰る所だからまた家着いたらかけ直す!と言ってくれたので衛輔の帰りを待っていた。 衛輔に相談しても仕方ないかと思ったが、やはり黒尾くんと同じ年の衛輔に聞くのが1番だと思った。 10分くらいして衛輔から連絡が来た。 今から姉ちゃんの家行くわー、晩飯だけ頼んでいい?とのことだった。 衛輔がいいならとOKを出し、ご飯の準備に取り掛かりながらどうやって話そうかと考えていた。 しばらくするとインターホンが鳴った。 ドアを開けると制服姿の衛輔が立っていた。 「わざわざごめんね、ありがとう。」 「いや、俺こそイキナリ来て…ごめん。」 私は大丈夫だよ、と言って衛輔を家に招き入れて一緒にご飯を食べた。 こうやって姉ちゃんと飯食うの久しぶりだなーなんて言いながらたくさん食べてくれる姿を見てなんだか喜ばしく思った。 「あー!美味かった!姉ちゃんごちそうさま!」 「いいえー、お口に合ってよかったです。」 そう言って衛輔にお茶を差し出す。 「で、話って…何?」 「あー、うん。 衛輔は、さ…もし好きな人ができたとして…何か理由があって…返事待つことって……できる?」 しばらく衛輔は考えてこう言った。 「それって黒尾のこと?」 真っ直ぐ見つめられてそう言われた。同様しないわけがない。 そんな私を見て衛輔はクスリと笑った。 「姉ちゃんといい、黒尾といい、わかりやすいなー。」 えっ黒尾くんが?と思うと私の言いたかったことがわかったのか、衛輔は続けた。 「黒尾が姉ちゃんのこと好きだったのは見てたらすぐわかった。 前に2人で遊びに行ったよね?その後黒尾ずっとそわそわしてたし、おかしいなーって思ってたら、今それを言われたからなるほどな。って。」 少し衛輔の性格が悪くなってしまったんじゃないかと心配になるくらい悪戯な笑顔を浮かべながら話していた。 戻る |