衛輔から連絡をもらってしばらくすると、真っ赤なジャージの学生らしき人たちがやって来た。
目の前に立つと全員背が大きかったので少し驚いた。

「い、いらっしゃいませ…何名様ですか?」

「あっ!恵姉ちゃんじゃない?」

名前を呼ばれそちらを向くと周りの子よりかは少し背の小さい男の子が私を見ていた。

「えっ…恵ですけど…。」

「俺だよ!夜久衛輔!」

名前を言われようやく思い出した。
背も伸びて大人っぽくなってはいたが、昔の面影はやはり残っていた。

「え…衛輔っ?なんで!!?」

「ちゃんと行くって約束しただろ!久しぶり!」

ニカっと笑うこの笑顔も昔のままだった。

「あ、ありがとう…こんなに早く来てくれるなんて思わなかった…。」



「夜久、この人は?」

衛輔の隣にいた背の高い切れ目の…あれはセットしてるのかな?髪の毛が少し寝癖っぽい男の子に訪ねられた。

「あ、黒尾。この人だよ、俺の幼馴染の谷垣恵。」

「はじめまして、衛輔がいつもお世話になってます…。」

「こちらこそ。はじめまして恵さん。黒尾鉄郎です、よろしく。」


手を差し出されて、恐る恐る私も手を差し出すと握手された。
男の子の大きくて、何かスポーツしているのか、少しゴツゴツした手。


その後衛輔たちはにぎやかに食事して行ってくれた。
みんなは近くの音駒高校の生徒でバレー部らしい。
だからみんな背が大きかったのか…なんて言うと衛輔がちょっと拗ねていた。

私より全然大きくなってるくせに何言ってるんだろう、この子。


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