ハイキュー | ナノ




「蛍のことずっと好きだった…よ」
「ごめん、僕そういうの興味ないから」

そう言われたのは中学生の時だった。
ずっと幼なじみとしてやってきたけど私にはずっと蛍に対して恋心が芽生えていた。
それを伝えてこんなフラれ方をするなんて正直ビックリした。
でも蛍の性格上仕方ないのかもしれない。なんて言い聞かせるので精一杯だった。

もう蛍とは関わらないようにしよう。なんて思っていたのに私はどうして今ここ、烏野高校の校門の前にいるのだろうか。
特に何も進路について考えてなくて両親も特に文句も言うことなく話が進んでしまっていた。
入学式の日、クラス分けを見て蛍とクラスが離れてることを知って内心ホッとした。
それでも隣のクラスには変わらなかった。

蛍と関わることもなくなんとなく毎日が過ぎていて、同じクラスの友達からバレー部のインハイ予選決勝を見に行かない?と誘われて久しぶりに蛍のバレーしてる姿を見たいかもしれない。なんて思ってあっさり頷いた。



決勝ということもあってか、ギャラリーにはたくさんの人がいた。
昔もこうやって蛍の試合を見に来たりしてたな。たくさん蛍の応援してたな。と思い出すとなんだか一緒にあの日蛍にフラレた日のことも思い出して、自然と目頭が熱くなった。

そうこうしている間に試合が始まって、正直驚いた。
たった数ヶ月でここまで成長するのかと思ったし、高校生からなのかレベルが違った。
とてもいい試合展開だったし、あまり表情を出さない蛍が少し楽しそうにプレーしてる姿を見て少し喜んだ。


結果は青葉城西に負けてしまって、ずっと見てきたわけじゃないのにとても悔しくてまた目頭が熱くなって、涙がこぼれない様にそっと下を向くとフロアにいる蛍と目が合った気がした。
いや、きっと気のせいだ。
蛍に今日ここに来ていることは伝えてないし、こんなにギャラリーに人がいるんだから気がつくわけない。
そう思って友達と会場を後にすると携帯が震える。
誰かな?と軽い気持ちで画面を開くと蛍から、会場出てすぐのトコで待ってて。とLINEが来ていた。
心臓が止まってしまうんじゃないかと思うくらい驚いて、携帯を落としてしまった。
どうしたの?と苦笑いして落とした携帯を拾ってくれた友達にちょっとっ忘れ物したから先に帰ってて。と苦しい言い訳をすると何か感じ取ってくれかのか、わかった。と言って先に帰ってもらった。


心臓がうるさい。
会場から出て行く横を通り過ぎてく人に聞こえるんじゃないかってくらい音を立てていた。



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