ハイキュー | ナノ




蛍が高校生になって初めてのインターハイ予選。
本当は見に来たらダメだって言われてたけど、どうしても蛍の試合を見に行きたかった私は蛍には黙って試合会場に来ていた。

正直凄いの一言だった。
蛍もだけど、他のチームのみんなもとても凄かった。
烏野がこの会場で一番凄いって思ってたのに、結果は青葉城西高校に敗退。

悔しくてその場で泣き崩れてしまったのを烏野のOBのお兄さん達に慰めてもらってたけど、どうしても涙は止まらなかった。
蛍は別に仕方ないって感じで平然としてたけど、やっぱり悔しそうにしていたのは私にもよくわかった。
負けて平気な人なんてきっといない。蛍も例外じゃない。

内緒で来ちゃったけど、どうしても蛍に会いたい。




家に帰る気にもならず、いつも蛍と帰る時に利用している公園に一人でいた。
頭からさっきの試合風景が離れない。
本当に凄かったとしか言葉が出ない。
中学生の時に男子のバレー部の練習は何度か見たことはあったけど、やっぱり高校レベルとなると全然違った。
その中でも蛍の姿から目が離せなくなっていた。

「悔しいなぁ…。」

そう誰にも届かない想いを口にした時ポケットでケータイが震えた。
蛍の試合の報告かな?と思いケータイをタップすると、
『今解散したけど、僕の家おいでよ。』と思ってもいなかったメッセージが入っていた。
私は返事することもなく蛍の家まで走った。



「なんで息切れてんの。」

いつものようにクスっと笑って言ってくれた蛍を見てまた涙が出てきた。
きっとなんで泣いてるか蛍はわからないのに、泣いてどうするんだろう。蛍呆れてるかな。とかもうそんなこと考える余裕私にはなかった。

「試合…来てたデショ?ギャラリーにいるの見えたよ。」

なんで、とかどうして、とか聞きたいことはあるのに止まらない涙のせいで何も言えない。

「カッコ悪いとこ…見られたくないから来ないでって言ったのに…。」

「かっこ、悪くなんかっ!なかった、もんっ!!!」

「蒼唯?」

「け、い…凄くカッコよか、ったよ。負けちゃった…けど。」

蛍の言葉に大きな声を出して反論してはみたけどやっぱり涙はまた溢れてくる。





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