「花巻ってチャラいよね」
クラスメイトにそう言われて何故か反論できなかった。
確かに貴大は私と付き合う前から色んな人と噂を聞いていたし、私と付き合ってからもそれは変わらない。
きっと浮気をしてるんだってわかっててもそれを突っつこんだらきっと別れを告げられてしまう。それだけは絶対に嫌だ。
「そんなことないよ?貴大ちゃんと愛してくれるし」
「えー、そうなんだ、意外だね!」
「なになに?俺の話してくれてんの?」
噂をすればなんとやら…噂のご本人登場。
「別に噂なんてしてないよ?」
「ふーん、そうだ。蒼唯今日ヒマ?」
「んーと、空いてるよ」
「じゃあデートしよっか」
にっこり笑って言ってくれた貴大に微笑みを返すと周りはキャーキャー騒ぐ。
「で、さっき何の話してたの?」
「別に……」
「ねぇ、教えてよ」
「何もないって、ば」
言いだしたら貴大は聞かない。私が近くで話されるのが苦手だって知ってかもう数センチで唇が触れてしまうそうな距離まで詰められた。
「ねぇ早く教えてよ」
「た、かひろ…がチャラい、って……」
「へぇ、そんなこと言ってたんだ」
「や、あの………」
「俺はさ確かに前までは色々遊んでたりしてたよ?でも今全部切ったし蒼唯だけしか見てないんだけど、信用できない?」
「でき、ないこと…ない」
じゃあ蒼唯の気持ち示してよ。そう耳元で悪魔に囁かれた。
愛をちょうだい花巻くんがメンヘラっぽい……。
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