バレーのことはよくわからないけど、コートで一生懸命ボールに食らいつく夜久くんを見たときにドキっと心臓が高鳴った音が聞こえた。
それから友達に着いてバレー部の試合を見ている時には夜久くんから目が離せないでいた。
きっと憧れだろう、と思っていた気持ちはどうやら恋と言う部類のモノだったらしくて見ているだけで満足だったのが次第に仲良くなりたい。と思ってしまって勇気を出して話しかけてみると彼は本当に優しい人でコートでは見せない笑顔を見せてくれてそれだけで天国に行ける気分だったのに、その後私は見てしまった。
親しい子なのかな?と思っていたあの子がまさか夜久くんの彼女だったなんて。
何故かかなりショックを受けてしまって家に帰って泣きじゃくった。
涙が枯れるんじゃないかって程泣いたのに、涙はまだ出てくるみたいで止まることを知らない。
そのまま私は眠りについた。夢の中で笑ってくれた夜久くんを見てきっと私は眠ったまま泣いていたんじゃないか。と目を覚ましたときに思わされる程目が腫れていた。
鏡を見て憂鬱な気分のまま学校に行くと友達にも何かあったの?と心配されたけど、私の小さな片思いは自分の中で留めておくことにした。
「なぁ神谷ちょっといいか?」
そう声をかけてくれたのは同じクラスで夜久うんと同じバレー部の黒尾くんだった。
ここじゃちょっと。と言われたので黒尾くんおすすめの穴場の空き教室にやってきた。
「その目、泣いてたのか?」
「泣いて、ないよ?」
「嘘つき」
昨日寝れなくてさー、と笑ってみせるけど目の前の黒尾くんは少し切なそうな顔をして
「夜久のこと好きだったんだろ?」
「っ!!」
どうしてっ、と尋ねるとわらりやすいからよォ。と少し笑って答えられた。
「なぁ、神谷夜久なんかやめて俺にしとけよ、絶対幸せにしてやるからよ」
明日の君を救える愛
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