どうして私だってわかったんだろうか。なんのこと?と誤魔化したらよかったのかと思っていると後ろから腕を掴まれ、振り向くと蛍が立っていた。
「こっち来て」
「うん……」
腕を引かれたまま蛍についていく。
きっとミーティングが終わってすぐに来てくれたんだろうか、少し汗が残っているように見えた。
「なんでここにいるの?」
「いや…友達に誘われて……」
「はぁ、じゃあ質問変えるよ、なんで烏野にしたの?」
「っ!!別に…特に理由は…ないよ」
蛍の視線が全く離れないから私も離せないでいた。
「僕に着いてきたの?」
「っ!!」
「図星」
「ち、がうよ…」
「だって僕のことまだ好きなんじゃないの?」
「す、好きだよ…でも着いて来たわけじゃないからねっ!」
「そっか」
あなたを今も好きです「僕も好きだよ」
「嘘…じゃん」
「ホント、あの時はごめん」
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