すっと京治の手が私の元に伸びてきたので何をされるのかと思い、グッと身体に力が入る。
「こんなにして…痛かっただろ?」
制服のブラウスの袖をめくり傷を見て撫でながらそう言った。
「い、たく…ない…。」
「嘘つき。よく血滲んでたの見たよ。」
京治は本当によく私のことを見てくれていた。
「部活の先輩に…聞かれたんだ。なんで赤葦の彼女長袖なの?って。
初めは日焼けを気にしてるんだと思うって俺も答えてた。
でもある日、ブラウスに血が付いてるの先輩が見たらしくて…腕切ってるんじゃないかって言われた…。」
腕の傷を眺めながら京治は続けた。
「別に偏見とかはないんだけどさ、どうしてだろうって思って…。
理由があるにしろ、俺が離れちゃ余計に酷くなるって言われて、正直悩んだ。
原因は俺だって言われたし、支えてあげられるか…。」
「京治はいてくれるだけでいい。」
「そうかもしれないけど、俺が原因なんだろ?」
「それでも京治と…一緒がいい…。」
「じゃあ、わかった…。」
そう言って京治はそっと抱きしめてくれた。
「離れないって、約束するから…切ること辞めろとは言わない…。減らす努力はしてほしい…。」
何故求めてしまうの?きっと、彼は私から離れたくて仕方ないんだと、確信した。
−あとがき−
これは管理人の過去の恋愛であります。真顔
赤葦くんはきっと離れないと思う気が…直感でしていました。ぇ
もう本当に何作書いても駄作は駄作だと改めて…。
ご覧いただきありがとうございました!
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