｢な、なに…？｣

｢聞きにくいし、違うなら否定して欲しいんだけど…蒼唯腕切ってるの？｣

ほら、やっぱり京治は賢いから気がついていたんだ。

｢切ってるよ。｣

｢どうして…なんて聞いちゃダメなんだよね…。でも理由が俺にあるなら｢京治の所為だよ。｣えっ…。｣

酷く京治は驚いていた、そりゃそうだよね。

｢私ね、京治のこと好きすぎて…おかしくなっちゃったの。嫌われちゃうのわかってるのにどうしても無理だったの。京治のことしか考えられなくて。ずっと京治と一緒にいたくて…本当におかしくなっちゃった…。｣

｢蒼唯…ごめん。｣

｢謝らないで。理解してくれる人なんていないの分かってたもの。｣


そんなこと思ってない。
それでも京治といたいって泣きたい。

｢こんな私気持ち悪いよね…。｣

どうか頷かないで。
離れたくないの、京治。


｢ねぇ、そんな強気なこと言ってるのに、どうして泣いてるの？｣

京治にそう言われて頬を触ってみると確かに涙が流れていた。

｢蒼唯の本音は？｣

｢離れたくない…京治と…一緒に、いた…い。｣


これが現実になるわけもない、なのにこんなこと言って余計に嫌われる。
嫌われるくらいなら…消えたい。



prev next