清水先輩の言ったことの意味がわからず、頭の中にはハテナがいっぱいだった。
「やばっ!そろそろ休憩じゃっ…!」
そう思い私もタオルを抱えて急いで体育館に向かった。
「蒼唯何してんの?」
前を向くと蛍くんが立っていた。
「け、蛍くんっ!れ、練習は!?」
「休憩中…清水先輩に蒼唯が遅いから見てこいって言われたから来た…。」
「あっ…ごめんね。すぐ戻るから!」
「後さ…なんで目赤いの?」
「えっ…や、これは…ご、ゴミが入っちゃって、さ!」
「…それならいいんだけどさ。タオル貸しなよ。僕が持っていく。」
少し不機嫌そうな顔をして蛍くんはたくさんあったタオルを全て持ってくれて、私はその後ろを追いかけるように歩いた。
「蛍くん?私が持つよ?練習戻らないと…。」
「蒼唯が戻らないと僕が心配するから嫌なの…。」
やっぱり蛍くんは優しい。
さっきまで悩んでいたことなんて、どうでもよくなってきた。
「ありがとう!蛍くん!」
「…別に。」
言葉なんてなくても気持ちさえあればきっと上手く行けるんじゃないかな。なんてすぐに切り替わっちゃう私はやっぱり単純なのかな?
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