ハイキュー | ナノ




しばらく待っていると、旭の腕が私の身体に回ってきた。

「伊達工の鉄壁…すっげー怖かった。」
「うん…。」

知ってるよ、私も見てた。本当に怖かった。

「なんか、情けなくて…蒼唯とも合わなかった…。」
「うん…。」

それも分かってたから、無理やり会おうともしなかった。
旭は気にしすぎなんだよ。

「俺…蒼唯に会えなくて…西谷とも喧嘩っぽいことしちゃって…。」
「うん…。」




「もう…ダメなんじゃないかって…。」

旭の声が段々震えてくる。
よっぽど悔しかったのがわかる。
そりゃ悔しいでしょうね。
でも…バレー部に、コートに旭がいなくなって…大地もスガも寂しいと思ってるハズだけど、旭から部活の話聞けなくなった私だって寂しいよ。

「旭…私バレーしてる旭がカッコよくて大好きだよ。」
「えっ…ちょっ、大好きって…。」

「問題はそこじゃないでしょ?
あのね、大地もスガももちろんだけど後輩の子だって私のところに来て旭のこと聞いてくるんだよ?
私何もわからないのに…。」
「蒼唯…。」

「みんな、旭のこと必要としてるんだよ?
旭は…もうバレー嫌い?」


旭の顔を見て聞いてみる、とても悲しそうな顔をしている旭は本当に見た目とは真逆だと思う。

「…好きだよ。ボールの感覚も、コートの暑さも…全部忘れられない。」


そう私に告げてくれた旭の顔は真剣だった。

「じゃあ、行っておいで!烏野のエース!」

そう言って旭の背中を思いっきり叩いた。
いたぁ。なんて弱弱しい声をだしていたが、旭の顔はスッキリしていた。


「俺さ…やっぱり蒼唯がいないと…ダメだわ。」
「なーに言ってんの!それは私も一緒だよ!」



アイツには私がいなきゃいけない


「いやー、旭のこと復活させられんの蒼唯だけだべ。」
「スガ…何?利用したってこと?」

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