「今日…蒼唯が友達と…雑誌見てたじゃん。」
「あー、うん、あれがどうかしたの?」
「…身長差。」
「えっ?」
「理想の身長差…ってやつ!」
そう言われて気がついた。
昼休みに仲のいい子で集まって見ていた雑誌に理想の身長差というコーナーがあった。
『キスしやすいのが12cm、里桜のカップルが15cm、ぎゅっとしやすいのが32cm』
なんて友達が読み上げてキャーキャー言ってたような気がする。
「それが…どうかした?」
「蒼唯も黒尾みたいに背の高い男の方がいいのかな…って思って。」
あぁ、なるほど。
私の身長は160cmで身長差は5cmで、実は気にしてるって言うのを黒尾に聞いたことあった。
元々身長のことに対しては気にしてたから、余計にだろう。
「衛輔…。」
「何さ…。」
「そんなこと気にして今日ずっとそんなだったの?」
「そ、そんなことってっ!」
私は衛輔にぎゅっと抱きついた。
私は身長差なんて1回も気にしたことなかったのに、どうして彼はこんなに気にするんだろう。
なんて思ったけど、あれだけ一緒に友達と騒いでたら不安にもなるんだろう。
「衛輔私はね、身長差なんて全然気にしてないよ。
衛輔はきっとこう言ったって気にしちゃうのわかってるけど身長差ってそんなに大事?」
「………。」
「私はね、衛輔だからこうやって付き合ってるんだよ。
逆に背大きくてごめんね…。」
「いや、蒼唯は…悪く、ない。」
「ねぇ、衛輔。」
衛輔を抱きしめる腕に少し力を込めて聞いてみる。
「身長差なんてなくても…心の距離が0cmならそれでよくない…?」
「っ…!!!」
目を合わせてくれなかった衛輔がやっと目を合わせてくれた。
しかも、顔真っ赤で。
「そ、うだね…。ごめん。」
「納得してくれたならよしっ!」
ニコっと笑ってみせるとまた衛輔に抱きしめられた。
すべては君次第「そう言ってもらえて、幸せだよ。蒼唯大好き…。」
−あとがき−
身長差夢はどうしても夜久さんで書きたかったです…。
夜久さん、ごめんなさい。
prev next