最終日、烏野高校との練習試合。
先に体育館に入って準備をしていた。
きっと蛍くんはここにもいないんだろうなー。
連絡…してればよかった。
なんて思って入口の方を見ると黒いジャージ。
烏野高校、一人だけとても背の大きな男の子がいた。
とても見覚えがあって、少し手が止まった。
「け…蛍…くん?」
「……蒼唯?」
「ひ、久しぶり…。」
「そうだね。」
どうしよう、目の前にいる蛍くんはとても大きくなっていて大人っぽくなっていて、私の知らない蛍くん。
習試合中も私はずっと蛍くんから目を離せなかった。
監督にもクロにも注意されて気を付けないと、と思い集中するものの、私の集中は長くは続かず、気がついたらまた蛍くんのことを見ていた。
「よし、片付けすんぞ!」
気がついたら練習試合も終わってしまい、今日の試合内容はほとんど頭に入っていなかった。
片付けくらいはまともにしないといけないと思い、手を動かしていたが、やはり蛍くんのことばっかり頭に浮かんでどうしようもなかった。
「蛍くん…。」
「呼んだ?」
後ろから声がして後ろを向くと蛍くんが立っていた。
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