蛍くんと連絡が途絶えてからしばらくして、私たちも高校生になった。
部活も入るつもりもなかったが、引越ししてきて近所になったクロと研磨に誘われてバレー部のマネージャーになった。
最初は仕事を覚えるのも大変で、クロ達にたくさん迷惑をかけてしまっていたが、やはり慣れというのはすごくて、今じゃ逆に褒められる程仕事ができるようになった。
「最近楽しそうに仕事してんじゃん、蒼唯。」
「あ、クロ!だって楽しいじゃん!みんなも頑張ってるし、サポートするのが楽しくてさ!」
「そっか、頑張ってくれよ、マネージャー。」
そう優しく微笑んでクロは頭を撫でてくれる。
こうしてマネージャーをしていると蛍くんにいつか会えるかなって思ってる私はきっとまだ蛍くんのことが好きなんだと思う。
県も違うし、きっと会える可能性もほとんどないのに私は何を期待してるんだろう。
「蒼唯ー、今回GW宮城で合宿だから。」
「えっ、宮城?」
「そう、烏野ってとこと最終日練習試合するから。」
「宮城かー、久しぶりに帰る気がする!」
「そういえば、蒼唯は宮城から来たんだっけ。」
「そうだよー!うわー、楽しみだな!」
烏野高校、音駒の因縁の相手だった学校らしい。
監督はとてもイキイキしていた。
合宿だから蛍くんには会えないだろうけど、正直楽しみだった。
また蛍くんの近くに少しでもいられると思って。
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