夢を見た。いつものように笑いあってる私と辰也。将来について話し合ってた時に言ってくれたよね。「るいのこと俺がちゃんと幸せにするからね?」ってあの言葉が嬉しくて仕方なかったじゃない。それなのにいざとなるとどうして、怖いんだろう。

「るい…」

夢の中でも辰也が私を呼ぶ声が聞こえる。辰也ごめんね、私ちゃんと向き合うから。ちゃんと辰也の気持ちに答えるから…私のこと許してくれる?

「るい、起きて?」
「ん、たつ…や?」

目を覚ますと辰也がそこにいた。あれ?ここは大我の家のハズなのに…どうして辰也がいるの?まだ夢でも見てるのかな…辰也に会いたくてこんな夢見てるのかな。

「るい起きて。迎えに来たよ?帰ろ?」
「えっ!!なんで…」
「大我から連絡をもらったんだ、帰ろっか。立てる?」
「う、うん…」

大我にお礼を言って辰也の手を取って家までの道を一緒に歩いてた。その間もお互い話すことはない。ちゃんと諦めないといけないのに、静かな辰也が少し怖いと思ってしまった。でも悪いのは私だ。

「辰也…」
「ん?どうした?歩くの早かった?」
「ちが、う…」
「じゃあどうしたんだい?」
「あの、さっきの…」
「おっと、それは帰ってからにしようか」

そう言われて私の決意は打ち砕かれた。それでもまた会話がなくいつもなら近く感じる家までの道がとても遠く感じた。
家に着いても玄関で待ってて、と言われて何故か玄関で待たされてる間も、私は早く謝りたくて仕方ないのに、こんなに焦らされてるのは辰也の小さな仕返しなのかもしれない。そんなことを思うと何でか涙が溢れて来た。こんな所見られたらきっと辰也は困ってしまう、そう思って必死に涙を止めようとしても一度溢れてしまったモノは止められない。

「るいっ!!どうしたんだい?」
「た、つ…ごめっ何でも、ないっ」
「泣いてるのに何もないことはないだろ?さぁ早く入って。待たせてごめんね」

ほら、辰也は優しい。そっと肩を抱いてエスコートしてくれてそのままソファに座らされてくれた。

「ねぇ、るい?」
「な、に…?」
「俺はね、ずっとるいにプロポーズしようかって考えてた。俺はさるいが俺といて幸せなのかってずっと考えてて、いつも話そうと思ってても勇気が出なくて…こんな俺でごめん」
「辰也が、謝ること…ないっ」
「ねぇ、こんな俺でも傍にいてくれる?」
「うんっ、私も辰也と、一緒が、いいっ!!たつ、やじゃ‥ないとダメだよぉ…」

よかった。そう微笑んで私の薬指にそっと指輪をはめてくれた。

「愛してるよ、るい。これからもずっと傍にいてね?」






どこまでもついて来てほしい






怖いって思ってたのはお互い。
この先もぶつかることがあるかもしれないけど、辰也とならきっと平気だと思う。







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