「なぁ、結婚してくれないか?」

いつものように辰也と過ごしていたときに、急に言われた言葉に私はハッと息を飲んだ。別におかしいことでもない。それなりの年月を共に過ごしてきたし、お互い金銭的にもセ活面でも余裕が出来てきて、仲のいい友達にもそろそろなんじゃない?と言われて期待は確かにしてた。でも急すぎる。でも嬉しい。

「どうしたんだい?お箸落としてるよ」
「いや、あの…」
「嫌かい?」

嫌なわけないじゃない。嬉しくて仕方ない、それでもその答えに何故か迷ってしまった。
辰也はすごくいい人だし、きっと今後も幸せにしてくれるのは間違いない、でも…辰也は私でいいの?辰也にはもっとお似合いの人がいるんじゃないかって思う。

「辰也は、いいの?」
「ん?」
「まだ、やりたいことあるんじゃないのかなって…」
「俺はるいといたいんだけど、それじゃ足りない?」
「足りないことはない、でもちょっと考えさせてほしい…」

そう告げて私は家を飛び出した。


「ってワケなんだけど…どうしたらいいかな」
「んなこと俺がわかる訳ねぇだろ!!」
「そんなこと言わないでよ〜!!」

考えようと家を飛び出したけど、実際1人で考えも答えがでないと思って大我の家に押しかけた。どんだけ急に来たって大我はちゃんと話を聞いてくれるし、不器用なアドバイスもくれる。でも今回だけは大我でもお手上げみたいだった。

「でもよぉ、こうやって俺んとこ来てっと、俺が辰也なら結構傷付くけどなぁ」
「やっぱ、そうだよね」
「わかってんなら帰ってやれよ」

帰りたい気持ちは山々なんだけど、プロポーズしてくれたのに返事もしないで大我のとこに来て、今更のこのこ家に帰るのもおかしい話だと思う。

「大我、今日泊めてほしい…」
「はぁ!!?なんでだよっ!!」
「だって、帰れないよ…」

ったく、朝になったら帰れよ。少し戸惑いながらも泊まることを許可してくれた大我に感謝して、いつものようにソファに寝転んだ。辰也きっとすごく怒ってると思う。ここにいるってことわかったらきっと余計に怒っちゃうハズ、プロポーズも取り消しにされるんじゃないかな。







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