高校生になって、きっと彼氏が自然とできるモンだと思ってたけど、一切そんな気はなく同じクラスの紫原くんと何故か時間を共にしていた。

「あっくん〜、なんかいいことない?」
「えー、るいちんそればっかじゃん」
「だってあっくんは部活してるけどさ、私なーんにもしてないし楽しいことないかな?って」
「あー、そういえば最近転校してきてバスケ部に入ったって奴がいたよーなー」
「えっ!!それって噂の転校生?!」

廊下を歩いてて噂には聞いていた。どうやら転校生くんは帰国子女らしく背も高くカッコいいとか、なんとか…。

「あっくん!!私その人会いたいっ!!」
「え〜めんどくさい」
「期間限定ポッキーでどう?」

今朝あっくんと一緒に食べようと買っておいた期間限定のお菓子を餌に私は噂の転校生くんに会わせてもらえることになった。あっくん曰く“室ちん”と言うらしいけど、室ちんさんがどんな人かもわからないけど、私の心臓は酷く高鳴っていた。

「室ちーん」とあっくんが呼ぶと遠くから背の高い男の人が歩いてきたのを見て、会いたいと私から言っておいてアレなんだけど、あっくんの後ろに隠れてしまった。
なんで後ろいんの?と聞かれても遠くから見てわかった。周りの女子が騒ぐ気持ち。

「敦、どうしたんだい?めずらしいなお前が呼び出してくるなんて」
「用があんの俺じゃねーもん、ほらるいちん」
「わっ!!」

あっくんの後ろで空気のように息を潜めてたのに、あっくんの馬鹿力により私はついに室ちんさんと対面……。うわ、近くで見れば尚更カッコいい……。

「ん?えっと…敦がよく話してる神谷さんかな?」
「えっ、あの…そう、です…」
「俺は氷室辰也、よろしくね神谷さん」





あなたがいてほしい





神様、ダメです。私は氷室くんに恋に落ちてしまいました…。







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