辰也と出会って、初めて辰也の決意を聞いたときは泣きそうな辰也を見て胸が熱くなった。なんだか泣きたくなったのもあった。
こんなに辰也は努力して、強くなったのにどうして報われないんだろう。
辰也の弟分のダイガがどんな存在か知らないけど、どうして辰也ばかりこんなに苦しまないといけないんだ。神様は本当に不公平だと思う。

「辰也、お疲れ様」
「あぁるい。ありがとう」
「もうすぐウィンターカップだね」
「あぁ、楽しみだよ」
「私も辰也の活躍楽しみにしてるよ!!」
「ありがとう、ちゃんと活躍できるように精一杯頑張るよ」

どんだけ辛くても辰也は笑ってくれる。
その優しい瞳の裏に何を隠してるの?私には言えないこと?

「ねぇ、辰也」
「ん?」
「今楽しい?タイガに会えるの楽しみ?」
「もちろん楽しみだよ。あいつがどんな成長をしたのかこの目で見るのが楽しみで仕方ないさ」
「そっか…私は会ってほしくない」

タイガに会ったら辰也が変わってしまいそうで怖いよ。
いつもの辰也が目の前から消えてしまいそうで本当に怖かった。辰也の服の端を今すぐ消えてしまわないように掴んでいた。

「変わらないよ、俺は」
「わかんないじゃんっ!!」
「るい」

辰也に対して試合中以外で大きな声を出したのは始めてだ。
なんで私がこんなに熱くなっているのかわかんないけど、どうしても譲りたくなかった。
辰也が消えてしまうくらいなら、試合に出ることを必死に止めてしまうだろう。
そんな熱くなってる私を辰也はそっと肩を抱き寄せた。

「もし、俺は変わったとしても俺は絶対にるいから離れないから」
「だから、わかんないじゃんって言ってるじゃん…」
「誓うよ」
「………」
「絶対に離れない。でもごめん俺は大我との勝負から逃げたくはないんだ」
「わかってる…」
「だから、いつものようにベンチで応援しててくれないか?勝ったら1番にいつもの笑顔で俺たちを迎えてくれないか?」
「わかった……」

ありがとう、じゃあ誓いの印に。




夢を追い続けて




チュッとわざと音を立てるようにキスをした。
キスの後にいじわるな笑顔を見せるから、私はいつものように辰也を信じる。







あれ、1番メンヘラ感が出そうな人が……(笑)





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