ポーカーフェイスとは、本当にやっかいだと思う。
私の彼氏である氷室辰也は本当に誰にも負けないくらいのポーカーフェイスだと思う。何考えてるのか本当によくわからない。表情を変えると言ったら時折微笑んでくれるくらい。
辰也が何を考えてるのかどれだけ一緒にいてもきっとわからない気がする。

「辰也、次の休みっていつだって?」
「次は…今週の木曜が体育館の点検でミーティングだけだよ」
「じゃあさ、勉強…教えてほしいんだけど…」
「ふふふ、中間テストもうすぐだもんね、俺で良かったらいいよ」
「やった!じゃあ木曜日お願いします」

何を考えてるかわからなくっても辰也とは上手く行ってると、私は思ってる。
紫原にもバスケ部の先輩にも辰也が私と付き合ってから楽しそうに見えるって言ってくれるけど…。私から見たら前と変わるとこがわかんない…。

「次は何を教えてほしいんだい?」
「え、英語…」
「ふふふ、わかった」

帰国子女の辰也に英語を毎回教えてもらって、本当申し訳ない…。わかんないし、辰也と一緒にいれる時間を作りたいのも事実。やっぱスタメンだから部活で毎日忙しいし、辰也から誘ってももらえないし、こうして何かしら理由をつけないと一緒にいられない。
いられないこともないんだろうけど…ね。

「るい」
「ん?どうしたの?」
「木曜さ、うち来ない?久しぶりにゆっくりしたいし、ね?」
「うえっ!!いや…あの、別に…いいよ」
「じゃあ決まりね」

ほら、さらっとこういうことも言ってくる。別にそういったことをまだしてないわけでもないけど、どうしても私は恥ずかしくて仕方ない。辰也は顔色一つ変えないし…。
机に肘を付いて微笑んで私を眺めてる。私はきっと真っ赤になってるハズ…。
ちょっとくらい顔色変えてくれたっていいじゃん。

「どうしたの?今日顔色良く変わるね」
「何もないよっ!!辰也はなんで顔色全然変えないのよ…」
「ん?これかい?クセだよ、クセ」
「クセって…」
「でも、俺はるいと一緒にいたら凄く楽しいし幸せだよ?皆に表情変わったねって言われるくらいだよ?」





おなたの心の奥




表情は変わらないけど、こうしてたまに本音を言ってくれるし、まぁ許すか…。
こんな辰也に愛されるのも悪くはない。








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