「るいちゃーん!!」
「げ、高尾…」
「げって酷くね?」
「いや、だってめんどくさい…緑間のとこ行って来なよー」
高尾和成、クラスメイト。秀徳高校はバスケ部の名門校であり、こんなヘラヘラしてるのにそのバスケ部のスタメンである…信じられない……。
その高尾が最近毎日のように私のとこにやって来てはこうやって絡んでくる。
「で?今日はなんの用事?」
「んー?特に用事はないんだけどね☆」
ほら今日もまたこれだ。毎日毎日こうして私の目の前に座ってただ普通に話しをして終わる。ただそれだけの毎日。
「それでさ、るいちゃん質問してもいい?」
「質問?どうしたの?」
「ちゃーんと答えてくれよな!今、好きな人は?いる?」
「えっ、いや…いない、かな」
そっかぁ。そう言って何も言うこともなく高尾はいつものように「真ちゃーん!!」と緑間のことに行ってしまった。なんだったんだろ…急すぎて驚いて答えてしまったけど、一体なんだったんだろう。好きだ嫌いだ、とかは本当によくわからない。
別に恋愛に興味がないわけではないけど、わからないもんはわからない。
周りの子は誰が好きだ、誰と付き合ったとか騒いでるけど本当にわからない…。
言うまでもないけど高尾もモテる。しょっちゅう呼び出しされてるらしいし、告白しても好きな子いるから。なんて言って断られたと泣いてる子を見たことがある。
「るいちゃーん!!るいちゃんって恋愛興味無い系?」
緑間のとこに行ったと思った高尾が帰って来てまた質問。
「ないことは…ないけど」
「へぇ、じゃあさ俺と付き合ってみない?」
「は…?」
「だーかーらー!!俺と付き合ってみない?って!!」
誰か緑間呼んできて…。彼の行動は予測できない。
「どうして?」
「どうしてって、俺がるいちゃんのことが好きだからだよっ!!」
だからお願い。そう真剣に言ってくれた彼のこと少し信じてみてもいいかな。なんて思ってしまった。
いきなり始まる物語