文豪ストレイドッグス | ナノ


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数年前とある事件に巻き込まれそうになった私はポートマフィアの彼、中原中也に命を救われた。それから恋に落ちた。
想いを告げると中也は私の気持ちに答えてくれた。嬉しくて嬉しくてどうしようもない気持ちでいっぱいだった、でも太宰さんがポートマフィアを抜けてから中也は変わってしまった。

裏切られた、そう一言つぶやいていたのを最後に私と中也は会わなくなった。

私が中也の重荷になりたくなかったのもあったけど、何故か私の前では笑ってくれなくなったし、仕事に必死に打ち込んでいたのも芥川くんに言われて知っていた。

嫌いになったわけじゃないのに別れてしまうカップルに対して意味がわからない、どうしてお互い気持ちがなくなったわけじゃないのに別れるんだ。なんて思ってた時期もあったけど、今はその笑ってた理由で私と中也は終わってしまった。

ねぇ、中也今貴方は何を思っているの?


「あれ?もえちゃんじゃない?」そう街で声をかけられて振り向くと、そこには過去中也と月日を共に過ごして来た太宰さんがいた。

「太宰さんっ!!太宰さんじゃないですか!!」
「やぁ、久しぶりだね」

ひらひらと手を降る太宰さんは以前と何も変わっていない。
あの頃中也と太宰さんと私の3人でよく話しをしたもんだ、あの頃は本当に毎日楽しかった。

「まだ中也と一緒にいるのかい」
「いや…その連絡が取れないん、です…」
「そっか…あいつは仕事に熱中しだしたら止まらないからね…」

そうなんです、その通りなんです。
食事も睡眠も疎かにしてボスの為に必死になる彼は嫌いじゃなかった。それでも心配になって、何度か声をかけてはみたけど、それで喧嘩になってしまう時もあった。
そんな中也を支えたかったし、傍にいたかった。

「見つけたぜ、太宰」

遠くでそんな声が聞こえた。
私の大好きでたまらない、中也の声だ。

「ちゅ、うや…」
「っ…もえ」
「おやおや、久しぶりの再会なんだし、私に構ってないで話しておいでよ」
「いや、俺は話すことはないっ!!」

目も見ずに中也にそう言われて、改めて思い知らされた。

私達の本当の終わりはここだったんだね。





今でもあんたが好き





私の心の中だけで留めて置くから、まだ貴方を愛おしく思うことを許してください。




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