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「最近どう?鮫柄は楽しい?」
「別に今までと変わらねぇよ」
「ふふふ、噂の凛くんと私も会ってみたいなー」
「なんでだよ、会っても何もねぇだろ」

鯨津高校で出会った山崎宗介。
初めは怖い人なんだと思ってたけど、努力家で時々優しい一面を見せてくれた宗介に私はいつか恋に落ちて、それは宗介も一緒だったらしく、付き合い始めたのが高校1年生の夏。
何もかも幸せで仕方ないと思ってたのに、宗介は肩を壊した。
リハビリにも付き合ってたし、辛い時には傍にいた。
それでも宗介は高校生活の最後くらいは好きに泳ぎたい。そう言って幼馴染の凛くんのいる鮫柄高校に転校してしまった。
宗介の気持ちを聞いた時に応援するよ!なんて言っておいて、いざ離れることを実感し始めると寂しくて不安で仕方なかった。
それでも宗介はそれを知ってかこうやって時間ができたら毎回連絡をくれて鮫柄での様子を…教えてくれない時もあるけど、元気だと言うことだけはしっかり伝えてくれる。

それだけでも充分満たされてるハズなんだけど…

「会いたいなぁ…」
「え?」
「あ、いやっ!!何にもないよっ…」
「会いたいって言ったじゃねぇかよ」
「言った…けどさ……気にしないで」

ずっと伝えたくて仕方なかったけど、どうしても伝えられなかった言葉が無意識の内に出てしまった…。

「気にするなって言われて気にしねぇほど俺は白状モンじゃねぇよ」
「でも、部活…」
「そぉいや、今度の土曜はオフだって凛言ってたっけな…」
「えっ…」
「でも会わなくても大丈夫なんだろ?」
「だ、大丈夫じゃないっ!!」

会いたくて仕方ないよっ!!そう言うと宗介は笑って、じゃあ久しぶりにそっち帰るよ。と優しく言ってくれた。





君に会いに行くよ





久しぶりに会える、宗介に会える。
それだけで私の心臓は高鳴ったまま。




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