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ハルに負けてどこか吹っ切れた自分もいた。泳ぐ楽しさも思い出した。
その時同時にあいつのこともふっと頭の中によぎった。

「凛っ!絶対負けないでよね!!」
「俺が負けるワケねぇだろ?」
「ふふふ、絶対応援行くからね?」

そう言ってくれたるいの気持ちを俺は裏切った。
気を使って傍にいてくれてたのに、きっとかなり冷たくあいつに接し続けてついに連絡も来なくなった。
それでいいのか?そう宗介にも聞かれたが、今更自分から連絡なんて…俺にはできる気がしなかった。

「なぁ、凛」
「あ?どうした?宗介」
「もし、るいが次の大会来るって言ったらお前はどうする?」
「は?」

俺と宗介とるいは佐野小時代の知り合いで、宗介とるいが連絡を取ってたとしてもおかしくはない。
でも、まさか会いに来る?もし会ったとして俺はあいつに会わす顔はない。

「別に…どうもしねぇけど」
「そっか…」

そう言って宗介は飛び込み台に向かった。

ずっとるいのことを考えて日々を過ごしていたからかイマイチタイムの伸びないまま次の大会の日がやってきた。
何故かるいが本当に来ているんじゃないか、なんて少し期待してしまっている自分に笑いが込み上げて来る。

「どうした凛、何かいいことでもあったのか?」
「別に、楽しみだっただけだぜ」

今日も負けない。と珍しくハルから宣言され、俺も負けてられないと思いるいのことは頭の隅に置き、気合いを入れ直した。




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