▽
『凛、負けないでよね!』
その言葉を思い出して、ハルに負けたくないって気持ちが高鳴り、俺は飛び込み台に立った。ここからの景色も好きだし、るいも飛び込む前の集中してる俺の姿が好きだって笑いながら言ってくれたっけな…。
会いたいな…。
「…‥んっ!!…り………っ!!……凛っ!!」
会いたい。そう思ったとこに幻聴まで聞こえてくる。
「負けるな!!凛っ!!」
あぁ、俺は負けない…。
スタートの合図が鳴り一斉に飛び込む。
思った通りハルも実力を伸ばしている。負けたくねぇ。負けられねぇ。
あいつに約束したじゃねぇか。
……もし次に会えたらちゃんと謝ろう。
レースの最中にこんなこと考えれる俺は相当冷静でいれてるとやっと実感できた。
ここ数日タイムが落ちて伸び悩んでいたのも嘘だったみたいに、今は調子がいい。
結果は俺の圧勝だった。
顔をあげて鮫柄のメンバーに視線を移すと、宗介の隣にるいが…いる?
「凛っ!!やった、やったよ!!」
「るいっ」
俺は一目散にプールから飛び出した。
まさか、会いたいと思っていた、声が聞こえた気がした。
気のせいじゃなかったんだ。実際傍にいてくれたんだ。
そう思うと今泳いだばっかりで体力もほとんど残っていないのに、俺の足は止まらなかった。
「凛っ!!」
「はぁ…はぁ…るい……」
「凛…その、ごめんなさい……宗介が、見に来いって、言ってくれて…その……」
「るい…」
そう言ってるいを強く抱きしめた。
ここにいることを確かめるかのように強く強く…。
「ごめんな…俺、あの時焦ってて…」
「大丈夫、ちゃんとわかってるから」
「ごめ、ん…」
確かめるように抱きしめたもう俺は負けない、この手を離さない。
凛初夢っ!!安定の駄作ですいません\(^o^)/
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