弱虫ペダル | ナノ




高校生になって靖友と出会って、第一印象は怖い。でもきっと何かを一人で抱えてる人。友達やクラスの子はそんなことないでしょー。なんて言ってたけど私にはそう見えた。
そう見えた日から靖友をなんだかほっておけない気がして話しかけたのがきっかけだったっけ?

自分の気持ちに気づいたのは2年に上がって、毎日必死に自転車に乗ってる靖友を見た時だったかな…。
恋愛経験が無かったと言えば嘘になるけど、少女漫画の様に靖友は誰よりも輝いて見えた。
気持ちを伝えると靖友も同じ気持ちだったらしく、交際が始まった。

たくさん喧嘩もしたけど、その分たくさん笑いあって誰よりもきっと幸せな高校生活を送れたと思う。
大学は離れてしまったけど、それでもなんだかんだ上手くやって行けた私達は、明日結婚式を挙げる。

「なァに見えんのォ?」
「あ、靖友。アルバムだよ」

ほら懐かしいでしょ?と靖友にも見えてみると、アァそうだネ。と言って私の隣に腰掛ける。

「神谷が考えてること当ててやろォか?」
「え?」
「怖ェんじゃないの?」
「っ!」

怖くないと言えばこれも嘘になる。
正直明日から靖友と"恋人"じゃなくて"夫婦"になることを少し恐れていた。
今までと何か変わってしまうんじゃないか、靖友も私も今まで通り笑って過ごせるか。上げていけば余計に不安が私を襲う。

「結婚…イヤ?」
「いやっ、じゃないよ…」
「じゃあなんで」

そんな泣きそうな顔してんだヨ。そう言って私の顔をのぞき込む靖友の表情は昔よりもずっと優しくて大人びていて、耐えきれず靖友の胸に顔を埋めて涙を流した。

「や、す…」
「神谷がイヤなら辞めれるけど」
「違うっの…あのね……」

私がただ靖友といたくない様に思われたくない。その一心で必死に説明をしようとしても言葉が頭に浮かばない。
嗚咽混じりで話そうとする私を見て靖友はふっと微笑んでキスしてくれた。

「不安なんかなる必要ねェんだよ!俺は神谷のこと幸せにするカクゴはできてんだヨ!それだけじゃダメなの?」
「だめ、じゃないっ」

難しく考えることなんて何もなかったのに、ただ靖友の隣で幸せになって、幸せにしてあげることだけでよかったんだね。



真実だけをここに誓え



「荒北!神谷!おめでとう!」
「いやぁ、スッゲェ綺麗だよ。」
「荒北、神谷を泣かしてはいけないぞ」
「ッセ!わァってるよ!!」

ほらこうやって仲間も祝福してくれてる。
何も、怖くないよ。靖友愛してるよ。


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