弱虫ペダル | ナノ





靖友のことは本当はすごい好きなのに、どうしてこうやって目の前に怒ってる靖友に向かって別れを告げているのだろう。
でもやっと夢中になれるモノを見つけた靖友の邪魔をしたくない、と言う気持ちは事実である。

「全く納得いかないんだけどォ?」
「靖友が納得しなくても私は無理なんだって」
「なんでダヨっ!納得行く説明シロって!!」

きっと何を行っても聞いてくれないのはわかってた。
特に気まずい雰囲気でもなかったのに、急に別れを告られたらきっと逆の立場だったら私もこうやって納得のいく説明を求めるかもしれない。
でもね、靖友。
大好きな人の邪魔をしたくないって普通だと思うんだ。

「ごめんね」
「謝罪してほしいわけじゃねェンだよっ!!」

じゃあ言ったら納得してくれるの?福富くんに別れてほしいって頼まれたって。


「こんなことは言いたくはないが、悪いが荒北と別れてくれないか」
「福富…くん、どうして?」
「最近部活に集中できてないことが多い、恋愛は自由だと思うが…それが原因で負けることは避けたいんだ」

そう言われた時に私はどんな気持ちだったか、きっと靖友にはわからないよ。
そんなことで、人に言われたからっておかしいって言うのはわかってる。
それでもやっと見つけた靖友の道を私が奪ってしまうのは違う、とも思ったからだ。
毎日頑張ってる靖友を支えることが私の役目だとも思っていたのに、実際周りから見たら違うかったとショックだった部分もあった。
たくさん考えたし、たくさん泣いた。それで導きだされた結果が今だ。
本当は嘘だよ、私は靖友と一緒にいたい。そう甘えてしまいたかったのに、それはできないししてはいけないことだった。

「靖友、ごめん、お願い別れて…」
「他に好きなヤツでもできたワケェ?」
「ち、が…」
「じゃあなんでダヨっ!!!」
「ごめ、」

こんなに怒ってる靖友は初めて見たし、正直恐怖を感じた。
その恐怖に涙をこらえきれず頬に涙が伝う。




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