私は一目惚れなんて信じてなかったのに、まさか私が一目惚れしてしまうなんて思わなかった。
少し帰りが遅くなってしまっていつもの様に帰り道を歩いていると目の前から自転車が走ってきた。
その人の目がとても真剣で名前も学校も年も知らないのにその真剣な目に恋をしてしまった。
初めはまさか。なんて思っていたけど寝るときもドキドキしてあの表情が忘れられない。
友達に相談してみるとそれは恋だよ!琉唯!!なんて少し茶化されたけど、これは認めないといけない事実だったのかもしれない。
それから何度かあの彼とすれ違うことが多かった、その度に一瞬なのに凄く長く感じた。
彼とすれ違うためだけに時間をずらしたこともあった。
それ以上進展なんてないのに、それだけで満足してしまってる私の恋は終わりを迎えてしまってるんじゃないかな。
彼と出会って?しばらくしていつか会えないかなぁ。なんて思っているとこれは運命なんじゃないかと思ってしまった。
休みの日に買い物に行こうと思ってショッピングモールにやってくると彼がいた。
話してみたい、でも話しかける内容もないし、本当のことを言ってしまうとストーカーだと思われて引かれてしまうんじゃないかとも思ってしまった。
それでもここで何もしないで帰ってしまうときっと私は一生後悔してしまう。
勇気を振り絞るしかない。
「あ、あのっ!!」
「アァ?」
「あの…いつも自転車、乗ってる人ですよね…」
「そォだけどォ?俺のこと知ってンのォ?」
「帰り道に何度か見かけただけなんですけど…その…」
「名前はァ?」
「えっ神谷琉唯です…」
「琉唯チャンねェ…」
近寄ってみると思った以上に背が高くて細いのにほどよく筋肉がついてるのが服の上でもわかったし、ちょっと怖い…。
「あのっ、一目惚れって信じますかっ!!」
「ハァ?」
「友達に…なってくれませんか?」
もしも願いが叶うなら「別にイイけどォ」
「本当ですかっ!!」
「ンな驚くことかよォ…俺箱学の荒北靖友。よろしくネェ琉唯チャン」
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