弱虫ペダル | ナノ




(荒北視点)




インターハイ最終日、俺たち箱学は負けた。
正直悔しかったし、泉田や東堂は泣いてたっけなァ。俺は泣くキャラじゃねェけど…。

最後部室でミーティングしてる時、マネージャーの琉唯チャンもスッゲェ泣いてた。
なんでお前が泣いてんだヨっ!っと言うと新開に女心を理解しろ。なんて意味わかんねェこと言われた。


解散になっても、俺は負けた実感がまだ湧かない。明日も普通に練習してんじゃねェかって思うのに実際はもう俺たちには次はない。きっとしばらくしたら穴の空いた気持ちに襲われるんだと思うと吐き気がきた。

「あ、らきたっ!!」
「アァ?」
「待ってよっ!!一緒に帰ろ!!」

そう言って俺の隣に走ってきた琉唯チャンの目はやっぱり少し腫れてて、心が痛んだ。

「目、腫れてんネ」
「えへへ…泣きすぎちゃった」
「なんで琉唯チャンがそんな泣いてんのォ」
「だって…私も皆と一緒に3年間過ごしてきたし…負けないって思ってたから…悔しくさ」
「っ…だからってそんな泣かなくってもいいじゃナイ」

私が1番泣いても仕方ないよね、ごめんね。と言った琉唯チャンの頭にそっと手を乗せてしまっていた。驚いた顔した琉唯チャンと目が合って何故か恥ずかしくなって、そのまま髪をぐちゃっと撫ぜた。

「琉唯チャンは笑ってた方がいいんじゃナイ?」
「そう、だよね!!ありがとう、荒北」
「それと…俺は時間短かったケド、3年間ありがとうネ」




ありがとうと君に伝えたい





照れるから他のヤツの前では絶対言わねェけどな。





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