弱虫ペダル | ナノ




東堂くんに手を引かれてベンチに座らせてもらうと東堂くんは私の目の前に座る。

「琉唯、一体何があったのだ?」
「なっにも、ないよ?」
「何もないことはないだろう、こんなに泣いてるじゃないか」

俺じゃ頼りないのか?と切なそうに聞いてくる東堂くんに違うよ!なんて言ったものの、私の小さなヤキモチを東堂くんに伝えていいのかわからなかった。

「教えてくれないか?琉唯が泣いてる所は見たくないのだよ」
「…引かない?」
「あぁ」

私に対して真剣に接してくれてる東堂くんに少し申し訳ない気持ちが溢れてきて、引かれたっていいや。と少し自暴自棄になってポツリポツリと話始めた。

女の子と仲良く話していることが嫌だ。
東堂くんはどうして私と付き合ってくれたの?
こんなこと思ってる私は東堂くんの重荷になってない?

ちゃんと伝わった自信は全くないけど真剣に話を聞いてくれた後にそれで全部か?と聞かれて小さく頷くとそっと抱きしめてくれた。

「とう、どう…くん?」
「琉唯の気持ちを考えず、不安にさせてしまって悪かった…」
「あの、」
「でもこれだけは信じてほしい」
「うん」
「俺は惚れているのは世界に1人、お前だけだ」
「っ!!」
「だから…きっと説得力の欠片もないだろうが、安心してほしい」

愛してる。と耳元で囁いてくれた東堂くんはどこか切なそうな声だった。
そう言われた時に私の中にあたモヤモヤが全て…ではないけど少し晴れた気がした。





貴方に夢中なの




「俺が琉唯と付き合った理由?そんなモノ決まっているだろう。琉唯のことが好きだからだ」
「あ、りがとう…」
「琉唯はどうなんだ?」
「私もっ、東堂くんが好き…だから」





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