弱虫ペダル | ナノ




「大丈夫か?」
「うん…ありがと…」

隣に座ってる琉唯は近くでみると本当に綺麗になったと思う。
5年なんてあっと言う間でそこまで時間を感じなかったのに、こうやって琉唯の変化を見てみるとかなりの時間が経ったのだと思わされた。

「最近調子はどうだ?」
「……そこそこかな?」
「そっか……」
「裕介は?」
「俺も相変わらずッショ」
「そっか……」

こうやって会いたかったハズなのにいざと話すとなると何を話せばいいのかわからないモノなんだな。

「彼氏とか…できたんショ?」
「……いないよ、ずっと」
「っ!そっか…」
「裕介は綺麗なお姉さん達に囲まれてグラビアなんて見なくてもいい生活してるんでしょー!!」
「なっ!そんなことあるわけないッショ!」
「嘘だぁ!裕介モテるじゃない!!」

彼氏がいないと聞いて安心したのも束の間、投げやりに言ってくる琉唯はまだ酒が残っているのか、ヘラヘラと笑っていた。

「俺はずっと琉唯のことしか思っていないッショ」
「嘘だぁ!私そんなん信じないもん!!」
「本当だっつーの!!」
「っ!」
「俺はずっと…お前のこと忘れられなかったッショ。」
「ゆう…」
「なぁ…また俺のトナリで笑ってくれって言うのは俺のワガママか?」

琉唯の肩を掴んで正面向かって告げると琉唯の顔はみるみる赤くなっていくのが目に見えてわかった。

「琉唯、俺はずっとお前のこと愛してた。モチロンこれからも…」
「やめてよっそんな冗談…」
「冗談じゃないッショ」
「裕介のっ、バカァ」

まるであの日の続きを見ているようだった。
苦しそうな顔をしていると思えば泣き出してポツポツと話しだした。
ずっと俺のことが忘れられなくて次に進もうとはしなかったこと、今日も俺が来るんじゃないかと期待していたこと、今も俺のこと好きだって聞いた時には最後まで聞かずにそっと抱きしめた。




オマエだけを愛してた




「今度こそ幸せにしてやるッショ」
「ゆう、すけぇ…」
「「愛してる」」




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