「琉唯、俺は留学に行っても別れる気はないッショ」
「そんなの…無理だよ」
「なんで?」
なんで?と聞かれても距離がありすぎるんだよ。
会えない間、私はどんな気持ちでこっちで過ごせばいいの?そんなの…わからないよ。
「距離ありすぎじゃん」
「距離なんて関係ないッショ。俺は別れるつもりなんて更々ないからな」
「裕介…私だって、イヤだ、よ」
「じゃあ別れなきゃいい話ッショ?」
違うよ。そういう問題じゃないんだよ。そう言いたいのに涙が溢れて中々言葉にできなくて、泣いてることを知られたくないから必死に我慢して、何も答えられない。
「……」
「黙ってちゃわかんないッショ」
「で、も…」
必死で膝を抱えて顔を上げないようにしているのに、裕介に腕を引っ張られてバッチリと目が合ってしまった。
「なんで泣くんショ」
「泣いて、ないっ!」
「泣いてるッショ」
「っ…バカっ」
優しく裕介に頭を撫でられて堪えていた涙が溢れて来た。
本当は別れたくないし、私も一緒にイタリアに行きたい。
それでもそれは高校生の私達には無理な話であって、必然的に離れないといけないんだ。
それでも裕介はお前となら大丈夫だ。なんて滅多に言ってくれない言葉をかけられても私の不安要素は取り除かれない。
結局私が泣いてしまってちゃんと話すことができなかったけど、それでも私は決めたよ。
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