「ハッ、ルイがソフトしても化物クラスだろォが」
「化物って!そんな言い方ないんじゃないの!」

純の背中をポカポカ叩いてみてもビクともしないのに腹が立つ。
もう少し痛がってもいいじゃない……。



私はソフトで純と亮くんはバスケにしたみたいで、感覚を取り戻したい!とお願いして自主練の時間少しだけ付き合ってもらうことにした。
まぁ、野球ボールでの軽いキャッチボールだけど…。
お願いしたときは少し嫌そうな顔をしてた純だけど、結局なんだかんだ付き合ってくれるのだから。

「もう全然投げれる気がしないよー」
「とか言って投げてんじゃねェか、バーカ」

純とこうやってキャッチボールをするのはいつぶりだろうか。
最近もやらせてもらってたけど、いつも亮くんや哲くん、クリスくんもいたっけなー。
室内練習場に2人では本当に久しぶりだと思った。

この時間がいつまでも続けばいい。なんて思ってはみるものの、純は寮生だから時間は限られている。

「そろそろ上がるぞ」
「うんっ!あの、ありがとうね」
「構わねェよ、ほら帰んぞ」
「いいよ!純ご飯の時間あるでしょ?私1人で大丈夫だからっ!」
「いいから黙って送られてろ」

お前も女なんだからよ。と不器用に伝える純を更に愛おしく思えた。
いつか言われたっけ、お前なんて女じゃねーよ!って。それがショックで仕方なかった私は泣いて家まで帰ったんだったかな。
後でお姉ちゃん達に引っ張られてうちまで謝りに来てくれてから私のことちゃんと女の子扱いしてくれるようになって、こうやってちゃんと家まで送ってくれるようになった。

不器用だけど、こんな優しさが本当に嬉しくてたまらない。

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