「やっぱお前等不器用すぎ」
「デスヨネ…」
「まぁそれもいいとこなんじゃない?」
「亮くん…ごめんね」

バーカ。と言っていつものように手刀をお見舞いされていつものように笑った。
純とのことをいつも応援してくれるのは不器用でも亮くんだ。
もし純の答えがいい方向じゃなかったとしても今みたいに亮くんは笑ってくれるハズだ。

想いを伝えるとすごく楽になった気がするし、苦しんでた気持ちも晴れた。


「亮くん、私も頑張らないとね」
「何、イキナリ」

頭でも打ったんじゃないの?と亮くんに言われてそうかもね。と返してみた。
別に私に望みがなくなったわけじゃないんだ。
少しの可能性でも残っているのなら私はその可能性にかけてみたいと思った。




「と言うわけで来月は球技大会があるからなー。種目お前等で勝手に決めてくれー」

こういう行事が来る度に1年と言う月日の速さに驚かされる。

「ねぇ純は何出るの?」
「あ?野球に決まってんだろ」

「あー、そうだ。自分の部活の競技は出られねぇからなー伊佐敷」
「「………」」

「だそうですけど?伊佐敷くん?」
「チッ、んでだよ」
「初心者と混ざるととんでもないことになるからじゃないの?ほら、哲くんとかさ」

私がそう言うとあー。と納得したのか苦笑いを浮かべる純。
哲くんが球技大会で野球に出ると毎打席場外を打ってしまうようなそんな気がしたのか…

「お前はどーすんだよ」
「私?んー、久しぶりにソフトでもしよっかな」

部活に入っていない為私には制限がなかった。
バレー、バスケ、サッカー、そしてソフトボール。
球技はどれでも好きだったけど、やっぱりソフトボールが1番楽しいかもしれない。


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