練習も終わりいつものように純の隣に並んであるいているが、お互い何も離さずに沈黙が続く。
段々沈黙に耐えれなくなってきて純の1歩後ろを歩くようにしているとイキナリ純が立ち止まった。

「純?…」
「あのよぉ」
「ん?」
「さっきは…その、悪かった」
「っ!」
「亮介と花村にすげぇ怒られてよ…その、俺はずっと家族として見てきたから…」
「わかってる」

純には野球があるもんね。と言って笑ってみせた私は笑えているのだろうか。
涙が出そうになるのを必死でこらえてみても流れ落ちそうになる。
誤魔化そうと下を向くとそっと純が抱きしめてくれた。

「俺にとってルイが大切なことにはちげぇねぇから…」
「う、ん…」
「いつも支えてくれたのはルイだから」
「うん…」
「だから…笑ってくれよ」
「バカ…」

同じ気持ちじゃなくてもいい。そんなこと思ってたのは一体いつの私だろうか。
いざとこうやって現実を叩きつけられると純にすがって泣いたりして、人間と言う生き物は欲が深いと改めて思わされた。
一緒にいれるだけじゃ満足できなくなってしまったから。

「じゅ、ん…」
「んー?」
「好き…」
「っ!」
「でも、今はいいいのっ」

野球してる純が凄く好きだから。だから私は今邪魔したくない。そう告げると純はまた申し訳なさそうにわりぃ。と言った。

謝らないでよ。私はこれからも純といたいんだよ。




*<<>>
TOP
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -