放課後になってバイトもないしあおいちゃんも用事があると先に帰ってしまったし、野球部でも見に行こうかな。と思い教室を出ると純に声をかけられた。

「今日…練習見て帰んのか?」
「純…うん、そのつもり」
「じゃあ帰り送ってくから待ってろ」
「うん、わかった…」

じゃあ後でな。と私の頭にポンっと手を乗せて純がグラウンドに向かった。
優しくしないでよ、少しでも期待しちゃうじゃない…期待なんてしたって悲しくなるだけなのに…純への気持ちは封印するって決めたとこなのに、そんな私に優しくしないで。

いつもの場所でいつもの様に練習風景を見てるだけなのに、どうしても純を目で追ってしまう癖だけは治ってくれないみたいで…

「ルイさん?」

自然と涙が目に浮かんでいて必死で拭っていると倉持くんに声をかけられた。

「く、らもちくん…どうしたの練習中でしょ?」
「あー、休憩なんっすよ。……どうかしかんっすか?」
「ん?何が?」
「目、腫れてるじゃないっすか」
「っ!」

そう言った倉持くんは私の顔を覗き込む程近くなって顔に熱が集中したのがわかった。
きっと彼は無意識なんだろうけど、私だって年頃だし、純以外の男の子にそんなことをされて慣れてるわけではない。
正直言ったら恥ずかしい。

「き、昨日寝れなくってさっ!」
「嘘っすよね」
「ど、うして?」
「今日保健室で泣いてるの聞きました」
「あ、あの‥あれは」
「純さんとなんかあったんっすよね?」

なんで倉持くんはここまで鋭いのだろうか。野球部ってそういう人の集まりなの?純を除いてだけど…

「まぁ、あったけどもういいの」
「……」
「私と純はこの関係が1番みたいだから」
「ルイさん、本当にいいんっすか?」
「えっ?」
「スッゲぇ辛そうな顔してます」

自分には正直になった方がいいっすよ。と言いながら倉持くんは立ち上がってじゃあそろそろ戻りますね。と言ってグラウンドに走っていった。

倉持くん、正直になったってね仕方ないこともあるんだよ。


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