短い野球部のオフも終わって東京に帰って来た私達はいつものように学園生活を送っていたけど、ひとつだけ変わってしまったことは、私に小さな黒い気持ちが芽生えてしまったということ。

こんな気持ちになったのは初めてで正直戸惑ってばかりで、亮くんに相談することにした。

「亮くん…私はおかしくなってしまったようです」
「ふっ、何言ってんの?」
「笑わない?」
「うん、笑わない」
「絶対に…?」
「うん、絶対」
「あのね、私純のこと考えるとずっとモヤモヤしてるの」
「うん」
「クラスの子とか、女の子と話してるとすっごい嫌になる」
「……」
「私…やっぱりどこかおかしいのかな?」

もうなんか涙出てきた、本当にヤダ。と机に伏せながら亮くんに話すと亮くんは急に笑いだしたもので驚いて涙は引っ込んだ。


「なんで笑うのよ…」
「ははは!だって面白いじゃん」
「っ!何がよっ!!!こっちは真剣なのに…」
「ごめんごめん、でもさいい加減思い伝えてもいいんじゃない?」
「やだ…振られたくない」
「わかんないじゃん」
「それでもやだ」

ワガママすぎ。と言っていつもの様に頭にチョップされた、亮くんのこれは正直痛くていつも涙が出る。
どうなるかわかんないじゃん。なんて言う彼は私の悩みを少し楽しんでる様に見えてとても憎く感じる時がある…
それでも亮くんはこうやってちょけてても最後はちゃんと答えをくれるから私はこうやっていつも亮くんに相談してるわけであって…

「亮くん、振られたら慰めてね?」
「嫌だよ」
「えっ!」
「そうやってウジウジしてるルイは嫌いだもん」
「ウジウジなんか…」
「じゃあいつもみたいに笑ってよ。笑ってるルイのことは俺は好きだよ」
「ちょ、す…きって…」

ふふふ、といつもみたいに笑って平然と言う亮くん。
少し顔に熱がこもり亮くんはまたイタズラっ子のように笑っていた。
きっと亮くんの作戦だ、いつもの冗談だ。そう思っても顔の熱は引いてくれない。

「おー亮介、ルイ。何話してんだ?」
「あ、純。ちょっとルイの顔が赤いねって話してたんだよ。」
「ちょっ!」
「あー?確かに赤けぇな、熱でもあんじゃねぇの?」
「かもしれなから純保健室連れて行ってあげなよ」
「ちょっと亮くんっ!」
「お、おう。行くぞルイ」

大丈夫だよ。と言おうと思ったが純に腕を引かれて保健室に向かって歩き出していた。
普段体調を壊さない為こんな時いつも純は心配症になる。
昔一度だけ無理をして学校に行って倒れたことがあった時の純の顔は今でも忘れられないし無理しない。と約束させられたっけな。

だから少しでも顔色が悪かったりするとこうやって私が何を言っても聞いてくれなくなった。


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