「純ママ!ひーちゃん!つーちゃん!」
「ルイちゃん!!久しぶり!」
「もうルイちゃんのいない日々がとても退屈で…」
「純とお父さん置いて来ちゃった!」

純ママもひーちゃんもつーちゃんも、全然変わらずに私を娘のように扱ってくれる、私の第2の家族のようだ。

お母さんの横に並んでご飯の準備を手伝いながら他愛ない話をしていた。
純のこともだったけど青道の話も野球部の話もたくさん聞かれたし、たくさん話した。
ちょっと笑っちゃったのはお父さんと純パパがお酒飲んでる時にお父さんが純くんにルイを取られた気分だ。と泣き出したらしい。

ピンポーンとインターホンが鳴ってお母さんに出る様に言われ出てみると純パパと純がいた。

「純パパ!久しぶりー!」
「おぉ、ルイちゃん!いつも純がすまないねぇ」
「うっせ!」
「ふふふ、どうぞもう準備できてるよ」

純は本当にパパに似てると思う。
性格は…誰かわからないけど、笑った顔とかふっとした仕草が本当にパパにソックリだ。って純に言ったら否定してたけど私は本当に似てると思う。

「さーて、じゃあ純くんとルイの同時帰省と言うことで豪勢にしてみました!」
「ありがとう…おばさん」
「いいのよ、純くんいっぱい食べてね!」

こうやってみんなが揃ったのが嬉しかったのかお母さんもお父さんもとても楽しそうでさっき私が純の話をしたのにみんなが純に質問攻めに合っていたのを横で笑っていた。

「てめっ!ルイ!!笑ってんじゃねぇよ!」
「ぷっ、だって純お預けされてる犬みたいになってるんだもん!!」
「っ!誰が犬だ!オラァァァァ!!」

純うるさい。と純ママに怒られてしょげてる姿は余計に犬に見えてまた笑うと純は余計に吠える。

これが前までは日常だったのにな。



ご飯も済んでお父さん達もゆっくりお酒を飲み始めた時に純を部屋に招いた。

「ルイの部屋に入んのも久しぶりだなぁ」
「そうだっけ?なーんにもないけどねー」
「まぁ引越ししたし、仕方ねぇんじゃねぇの?俺の部屋もそうだしよぉ」

ってこれまだ飾ってんのかよ!と純はシニア時代の写真を持ち上げて言った。

「当たり前じゃん、それお気に入りだもん!」
「恥ずかしいからそろそろ辞めろっての」
「とか言って純も持ってるんでしょ?」
「持ってねぇよ!!!」
「嘘!ひーちゃんが言ってたもん!」
「んな!ちっ、あのクソ姉貴…」

私みたいには部屋に飾ったりしてはいないけどちゃんと大切に持ってくれてるって言うのを聞いた時は本当に嬉しかった。
絶対に照れて言わないだろうけどちゃんと純は大切に持ってるよ、だってルイちゃんのこと好きだからね。なんて内緒で言われたことに喜んだのは純にはモチロン内緒の話だった。

嘘でも純が私のこと好きって言われるだけで幸せになれるのは有頂天に立ちすぎなのかもしれないけど、このままの関係が壊れてしまうのならこのままで良いと思ってしまう私はきっとずるいんだろう。
ずるいと言われたってそれでも良い。
このままが1番心地良いし1番純に近いことが私には幸せでたまらない。

もし、好きって伝えたら純はどんな顔をするんだろう。
どんな反応をするんだろう。

拒絶されてしまわないだろうか。

「ルイ?どうしたんだよ」
「っ!ごめんごめん!何でもないよ!」
「んだよ、疲れてんのか?」
「純よりは全然元気だよ〜」
「ならいいけどよぉ、無理すんなよ」
「ありがとう」

ほら、こうやって純は優しく接してくれる。
顔が怖くてよく誤解されちゃうけど、実際すごく優しくて他人思いだってことを知ってくれてる人は一体何人いるんだろう。

何でか青道に入って少し距離ができてしまったように感じてしまったからか、酷く黒い気持ちが前のめりになってきた。



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