「いらっしゃいませ〜」
高校生活も2年目に突入した所で何か始めたくなってファーストフード店でアルバイトで働き始めた。
両親にも純にも無理はするな。と言われたがいつまでもなにもしないで両親に頼りっぱなしというわけにもいかないと思っていたので少なめにスフとを組んでもらってなれない接客業に苦戦していた。
私の入る時間は学生のお客さんがほとんどで勉強したりおしゃべりに華を咲かせていたりする人ばかりだった。
「ねぇねぇ、2年の結城くんカッコいいよねー」
「えっ!あんた結城くん派なの!?私小湊くん派かな〜」
同じ青道の制服に身をまとった女の子2人が話してるのを耳にして、流石野球部人気あるなー。なんて思っていると他の学校の生徒の人も青道の野球部の話をしている人がたくさんいたことに気づいた。
最近になってギャラリーでの哲くん亮くん、もちろん純への声援もたくさん増えた。
なんだかみんなが遠い存在になってしまった気がする。
「神谷さん、お疲れ様」
「あっ、日向さんお疲れ様です」
大学生で先輩にあたる日向さんが声をかけてくれた。
日向さんはここで長い間働いているらしくて私の教育係りになって、色々と教えてくれる優しい先輩だ。
「どう?慣れてきた?」
「そうですね〜、そこそこですかね」
「そこそこ…か。そうだ今日一緒に帰らない?」
「えっ、あ…はい」
じゃあもう少し頑張ろうねーと手を振って裏に戻ってしまった。
最近日向さんの距離がとても近い気がする。
嫌というか、先輩としてはいい人なんだけどそれ以上の関係になると少し苦手の部類に入るかもしれない。