そのまま私は純の胸に顔をうずめて今までこらえていた分泣きじゃくった。
純は嫌がることもなくそのままそっと抱きしめてくれた。
泣いてるだけじゃきっと何もわからないって言いたいのかもしれないのに、それでも何も言わずにそっと優しく抱きしめてくれていた。

何も言わなくても純になら伝わってるんじゃないか。なんて思ってる私は純に甘えてしまってるのだろうか。

こうやって純に何も言わずに泣きついても、落ち着いた時にはいつも変わらないあの笑顔を向けてくれる。

後日そのことについて聞き出そうとはしない。
それが純なりの優しさだったのかもしれない。
でもそんな純の優しさにこうやってまた甘えてしまってるのかもしれない。
きっとこの行為もいつか迷惑だって思われるかもしれないのに、それでも私はいつまでもこうやって純の優しさに埋もれていたい。と思ってしまっている。


「……落ち着いたか?」
「うん…ごめんね……」
「気にすんな。いつものことじゃねぇか」
「はは、そだね…」
「……でよぉ、俺はいつもこうなった時何も聞かないようにしてる。姉貴達に任せりゃ大丈夫だって思ってたから…でももう近くにいねぇんだし…話してくれねぇか?」
「……でもっ」
「迷惑とか思ってんなら殴るからなっ!」
「っ!」
「俺はっ!!俺は今1番ルイのこと支えてやれる存在じゃねぇのかよっ!!」
「じゅ、ん…」
「少なくとも…俺はそう思ってんだけどよぉ…それでも話せねぇか?」

真剣に少し悔しそうに純にそう言ってもらえて、止まったハズの涙がまた溢れた。

「なぁ、俺はルイのこと支えてやりてぇんだよ…」

頼ってくれよ。そう言って私の背中に回っていた腕にぎゅっと力が入る。
少し震えているように感じるのは気のせいだろうか…

「ルイっ…」
「純っ、ごめんね、ごめんねっ」

そう言ってポツポツと純の腕の中で今まであったことと自分の中の推測を話した。
毎日物が無くなって帰る頃には戻って来たこと、きっと哲くんや純のことを気になっている子にされているんじゃないかってことも。

ここまで純は私のことを思って言ってくれているんだ。
きっと純だけは傍にいてくれる。そんな確信を抱いて…


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