「純、最近ルイの様子がおかしいようだが」
「あぁ…俺もそれは気づいてる」
「何か聞いていないのか?」

聞いたってあいつは何にも話せねぇよ。と哲に言ったが正直俺もかなり心配している。
いつもどんな時だって忘れ物だけはしたことなかったルイがここ最近毎日教科書を忘れて先生に怒られてる。

確かに新生活に身体が付いて行ってない。と言われたらそうだと思うがそれでも日に日に悪くなる顔色を見てそれが事実だとは俺は到底思えなかった。

「伊佐敷…」
「あ?どうした花村」
「最近ルイの様子がおかしいんだけど」
「あぁ、わぁってる。」
「あんた、なんとかしようと思わないの?幼馴染でしょ?」

幼馴染、確かに一言でまとめたらそれだけで済む。
だが俺にとっては家族よりもいつもすぐ傍にいて当たり前の存在になっていた。

そんなルイがここまで落ち込んで明らかに何か抱えてるようにしているのは初めて見た。

「っても…聞いたって何もない。の一点張りだからなぁ…」
「……それを聞けるのは伊佐敷だけじゃん」

私にもできる範囲のことあるから。後は頼んだ、お願い。と言って花村はルイの元に戻って行った。

そう言われたがいつも喧嘩しても頑固だったルイからそのことを聞き出すことが俺にできるのか。そう思うときっと難しいんだろうな…。

いつもそうだった。
ガキの頃に誰かと喧嘩して帰ってきたルイにおばさんも何があった?と聞かれても転んだ。の一点張りで聞き出せたのは俺の真ん中の姉貴だった。

いつもあいつが喧嘩したり隠し事するときには必ず姉貴達がうまくやって聞き出してくれてたからいざと俺に聞き出せ。と言われてもどうやって姉貴達が聞き出してたのか知るよしもなかった。



その日もルイは練習を見に来ていたから送ってくから校門で待ってろ。と言って急いで着替えた。

俺が姉貴達みたいにうまく聞き出すことができるかわかんねぇが、少しでも楽になりゃいい。と思っていたことは間違いなかった。

なぁルイ。少しでもお前の不安分けてくれよ。

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