「あれ?おかしいなぁ…」
「ルイどうしたの?」
「いや…教科書持って来たハズなんだけど…忘れちゃったのかな?」
「もー、本当ドジよね」
あはは。と笑ってみるもののおかしい。
確実に入れたハズなのに…なんて考えてもキリがなかったので隣の席の子に大人しく見せてもらうことにした。
「オメェが教科書忘れるなんて珍しいじゃねぇか」
「あ、純。私だって忘れ物くらいするって!!」
気ぃつけろよ。と頭をそっと撫でてくれる純にとても心が温かくなり忘れ物のことなんてどうでもよくなる私はきっととても単純だ。
放課後になり帰る準備をしていた時に忘れたと思っていた教科書が出てきた。
「あれ?教科書…」
何度も机もカバンも見たのに机の中にあったことに内心ホッとした。
でも教科書が無くなって帰る頃には机に入ってることが毎日の様に続いた。
「ルイどうしたんだよ。最近マジで毎日忘れ物してんじゃねぇか」
「あはは、最近疲れて帰ってすぐ寝ちゃうんだよねー。気をつけなきゃ…」
「おいおい、大丈夫なのかよ」
「うん!大丈夫だって純お母さんみたい!」
「ルイの母ちゃんなんざ嫌だっつーの」
心配してくれてありがとう。と言うものの少しの不安が私を襲う。
「あんた最近顔色悪いけど大丈夫なの?」
「あおいちゃん…うん、大丈夫だよ」
「絶対嘘じゃん」
「えへへ…」
「何かあるなら言っておいでよ。伊佐敷に言いにくいなら私にでも」
うん…と言ったがすぐに収まるだろうと思いその時は話さなかった。