「ねぇ、いつまで抱き合ってるの?お二人さん」
「「っ!!」」

小湊くんに声をかけられてハッとなった。
忘れてた…周りにはみんないたんだった…。

「だ、抱き合ってなんかっ」
「抱き合ってたじゃん」
「抱き合ってたな」
「うがぁ」
「伊佐敷もやるよねぇ」
「うっせぇ!!」

そんなんじゃ一軍なんて夢のまた夢だねぇ。と小湊くんはバットを持って少し離れた所で素振りを始めた。

ブン、ブン。とバットが風邪を切る音が気持ちいい。
それを見てか周りのみんなも次々と素振りを始めた。

「みんなー!!おにぎり作ってきたよ!!」
「おっ、マネージャーじゃねぇか、サンキュー」

藤原さんがおにぎりを持ってくるとみんな手を休めて次々とおにぎりをほおばる。
こういうの、本当に羨ましい。と思い離れたとこから見ているの藤原さんが私の元にやって来た。

「えっと…神谷さん、だよね?」
「えっ!!あ、うん…」
「いつも結城くんや伊佐敷くんに話聞いてるよ!伊佐敷くんの幼馴染なんだってね!」
「うん…いつも純がお世話になってます!藤原さんこんな遅くまで残って大丈夫なの?」
「貴子でいいよ!あー、うん。結城くんの素振り終わったら送ってもらうし、うち近いから大丈夫!」

そっか。と言うと貴子はそっと選手達の方に目を移した。
こうやって選手を支える存在はすごくもどかしいと私は思う。
どれだけ練習を頑張ってても負けてしまう時はいつか来るだろうし、その時どう声をかけるのだろう。

「貴子はさ…不作の年って言われてることにどう思う?」
「あー、あれね。悔しいよね。でも…きっとみんななら大丈夫だよ。そう私は信じてる」

信じることしかできないしね!なんて笑う彼女は本当に強い存在だと思った。

純、青道に来てよかったね。
結城くんや小湊くん、頼りになる先輩、心強いマネージャー。
たくさんの人に支えられて大好きな野球がせきるんだもんね。

みんなの努力が実ってか、結城くんの初スタメンが決まり試合では初打席初ホームランを打って、みんなのやる気に更に火がついた。

*<<>>
TOP
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -