家から学校はとても遠く、お父さんとお母さんに許可を得て学校の近くに部屋を借りて1人暮らしをすることになった。

「休みの日にはちゃんと帰ってくるんだぞ」
「お父さん大丈夫よ、純くんも近くにいるんだし、ね!」
「……何かあったら帰って来なさい」
「お父さん…お母さん…」

青道に行きたい。と言った時には全く驚いた顔をしなかった。
きっと純が青道に行くってことを聞いていて、私が青道に行きたいって言うことがわかっていたように。

「私…頑張るね。」
「ルイなら大丈夫よ」

お父さんとお母さんはいつでも味方だからね。と言われて涙がこぼれ落ちた。

こうして私も純の近くで新たな生活が始まった。
新しい制服に身をつつんで入学式に来ていた。
同じ中学出身の子はいなかったし、誰も知らない環境に少し戸惑ったけど、隣には純がいてくれていたので何よりも心強かった。

「純何組だった?」
「あー…3組」
「私も!!また1年間一緒だね!よろしく!!」

そう言って純と共に教室に入るが、席までは流石に近くはならなかった。

「神谷さん?よろしくね」
「あ!よろしく…えっと…」
「小湊、小湊亮介。」
「小湊くん!ごめんね、よろしく!私神谷ルイ」
「知ってるよ」
「え?」
「伊佐敷と仲良さそうに話してたからさ」
「あ、純は幼馴染で…」
「へぇ、そうなんだ」

ピンク色の髪の毛をしてニコニコ笑っている小湊くんの印象は、きっと敵に回してはいけないタイプだった。
純とのことを話すととても嬉しそうに笑った笑顔が何故か少し怖かった…。

「純と知り合い…ってことは野球部?」
「そうだよ、だからこれからよろしくね、神谷さん」
「うん…よ、よろしく…」

純、小湊くんにいじめられなきゃいいけど…そう思いながら前を向いて担任の話を聞く。

私たちの新生活に相応しい、気持ちいいくらいに晴れた日だった。



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