それからしばらくして、部活漬けだった私たちにも進路のことを考えないといけない時期がやってきた。

純も私も何校かスカウトの話をもらっていて、私は学校のパンフレットを眺めている。

特に行きたい学校もないし、高校に進んでソフトをするかは正直悩んでいた。
純とは進路の話を中々する機会もなく、前みたいに一緒に帰ることも減った。

お父さんもお母さんも進路のことは私に任せる。と言ってくれた。
ルイがしたいことが決まったら相談して?なんてお母さんに言われてたくさん悩んでいる。

勉強もそこそこやってきたからその辺の学校なら受かる程の学力はあった。

でも、私は何がしたいんだろか。

色々考えていると窓からコンコンと音がしてカーテンを開けると純がいた。

「どうしたの?」
「いや、身体動かしたくってよ…ちょっと付き合えよ」
「え、あー…うん」

そう言うときは決まっていつもの場所でキャッチボールをする。
近所の小さなグラウンド。
そこが私と純の練習場所だった。


「お前さ、進路どーすんだよ」
「うーん…悩んでるとこっ!」
「ふーん」
「そーいう純は?」
「俺は東京の青道に行く」
「え…」

ボールを受け止めて私は止まった。
青道…昔純と甲子園を見ていた時に出場していた強豪校だった。
純は、離れちゃうのかな…

「どうした?」
「あっ!!ううん、何もないよ」

ごめん。と言ってボールを投げ返すが、次は純からボールが返ってこない。

「純?…どうしたの?」
「お前さ…一緒に青道来ねぇか?」

いきなりの純からの誘い。
私、また純と一緒にいてもいいのかな?

「うん…考えとく…よ」
「ちゃんと甲子園連れて行ってやるから、来いよ!青道!!」

そう言ってニカっと笑ってくれる純はいつもの純だ。
いつも元気をもらていた純の笑顔だった。

「うん!!私、行くよ!!青道!!」


こうして私はたくさんもらっていた推薦を全て蹴って、一般で青道を受けて無事合格した。
春からまた純と一緒に過ごせる。

今度こそ純が甲子園で輝く姿を見たい。

傍にいたい、やっぱり私純がすごく好きだ。

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