離れたからって私たちの関係は変わることはなかった。

「おいっ!ルイ!!お前レギュラー入ったって本当かよ!!」
「あ!純!!もう、なんで知ってるのよ!!先に報告して驚かせてやろうと思ってたのに!!」
「お前、マジですげぇわ!!頑張れよ!!」
「うんっ!!純もね!頑張れスピッツ!!」
「誰がスピッツじゃぁぁぁぁぁ!!」

こうやってお互いの試合も見に行ったりして、お互いの成果の報告をしたりして、純と一緒にいるのが当たり前だって思ってた。

「ねぇ、神谷さん…ちょっといい?」
「んー?いいよ!どうしたの?」
「ここじゃ…ちょっと…」

同じクラスの西条さんに呼ばれて着いて行くと人気の全くない空き教室にやって来た。

「西条さん、話って?」
「神谷さんは伊佐敷くんと付き合ってるの?」
「え、あー…よく聞かれるんだけど違うよ。私と純は幼馴染だから!」
「よかったー…私ね、伊佐敷くんのこと気になってるんだけど…よかったら協力してくれないかな?」

いつも純との関係を聞かれた後にこうやって純との関係性に協力を求められるのも、もう何回目だろうか。

1度だけこうやって言って来た子に協力して純とくっつけてあげようとしたのを純に知られた時にすごい喧嘩をしたっけな。

「んなことコソコソするくれぇならテメェでなんとかしろって言っとけ!!」

純のこと何も考えずに行動しちゃった。とあの時は凄く落ち込んでしばらく口聞かなかったっけな…

「悪いんだけど…協力はできない」
「えっ…どうして…まさか伊佐敷くんのこと…」
「好きだって?好きだよ。だから協力できない」
「っ!!なにそれ!!幼馴染なんてズルいじゃない!!」
「何とでも言ってもらって構いません。じゃあね」

そう、あの時純のお姉ちゃんが会いに来てくれた時に初めて自分の気持ちに気がついた。
私はずっとずっと純のことが好きだった。

純に怒られたのもショックだったけど、こうやって自分の気持ちを押し殺して来たんだって思うと涙が止まらなくなった。
落ち着いた頃にお姉ちゃんが純を呼び出してくれて無事仲直りした。

お姉ちゃんにルイちゃんも素直になりなさいよ!って言われたけど、私は純に想いを伝えることはなかった。

*<<>>
TOP
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -