朝目が覚めると一也は隣にはいなかった。

「一也?どこ?……」

一也の部屋にいるのに、一也がいなくて凄く不安になる。
違うところにいるんじゃないか。また景が…。

「お、ルイ起きた?」

ヒョコっとキッチンから顔をのぞかせた一也を見て少しホッとする。

「うん…ごめんね」
「あー、そのごめんやめろって…」

なんも悪いことしてねーだろ?言うならありがとうって笑ってほしいんだけどなー。と言って一也はまたキッチンに戻ってしまった。
確かに謝ってばかりだと思うけど、一也に迷惑かけてばっかりなのに…
ふっと自分のカバンが目に入り、ケータイを確認をしてみると景かたとんでもない数の着信とメールが…

【今どこにいる】
【帰ってこいよ】
【お前、俺に逆らうの?】
【ルイ、見てんだろ?早く返事しろ】

そう初めは強気なメッセージばかりだったのに途中から

【帰ってきて、お願い】
【俺はルイがいないと生きていけない】
【浮気なんて本当はしてないから】

なんて弱気になってきているのを見て、景が私のことを必要としてる…でも…なんて考えているとヒョイっとケータイが私の手から消えた。

「あいつから?」
「うん…」
「帰りたいの?」
「帰りたくない…一也といる」

じゃあよかった。飯できたぞ。と言ってくれていい匂いが漂ってきた。
一也の前に座るものの、相変わらず食欲は沸かない。
折角私にも食べられるようにお粥を作ってくれたのに、食べれる気はしなかった。

「無理そうか?」
「うん…でも食べるから…」

そう言って少し口に含むとちょうどいい塩加減で美味しかった。
それから少し、少しと食べると一也はとても安心した顔をしてくれたので、それが何故か嬉しかった。


「俺今日練習あるから行くけど…大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ?無理しないでね」

そう言って一也を送り出そうと玄関まで来ると、あのさ…頼むから昨日言ってこと実行しようとすんなよ?と一言。
大丈夫だよ。なんて言ってはみせた。それでも…私がやらなきゃダメなんだよ一也。








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