一也と再開できて、家まで一緒に帰って何かあったら連絡して。と一也のケータイ番号の書いた紙を渡された。
ケータイ壊れたんだろ?と笑って言う一也は本当にいい幼馴染だと思う。
その紙を財布に見つからないようにしまった。
これが見つかったら一体どうなるんだろう…とか考えるくらいなら捨てればいいのに。っと思う自分もいたけど、何かあったときに頼れるのは一也だけだった。

それから一也も一緒にうちで晩ご飯を食べて遅くなるとまずいと思って帰ろうと支度をする。

「ルイ。」

お母さんに呼ばれて振り向くと少し泣きそうな顔をしていた。

「ど、うしたの?」
「一也くんもお母さんも何も聞かないけど、辛かったら帰っておいでね」

ここはあんたの家でもあるんだから。と優しく言ってくれるお母さん。
きっと一也が何か言ったんだろうな。でもごめんねお母さん。
私は帰ってくるわけにはいかないの。


一也に送ろうか?と言われたけど見つかりなかったし気持ちの整理もしたかったので断った。
帰り道一人でたくさんのことを考えた。
帰ったら何言われるかな。いつも通りにしてたら…

そういえば景の笑った顔いつから見てないんだろう…。

仲良くなってきた時に景が言ってたのをふっと思い出した。
弱小校だったけど高校でも野球をやっていて、一也のことも私のことも知っていた。
グラウンドで輝く一也のことを同い年として尊敬していた。とか…。

「いつか紹介してくれよー、俺ファンなんだ!」
「うーん、会えるかわからないけど…いいよ」

そんな約束してたような気もするけど、随分前のように感じる。

どうして尊敬してたって言ってた一也にあんな敵対心を持ってたんだろ。








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