順調に同棲生活を送っていた私達だったけど、ある日一也から連絡が来た。
「一也っ!久しぶり!相変わらず絶好調だね!」
「あぁ、そっちはどうだ?ちゃんと勉強してんのか?」
久しぶりに一也からの電話だったのですっかり話し込んでしまっていて、景が帰って来たのに気がつかなかった。
「あ、一也ごめん。そろそろやらないといけないことあるから切るね」
「やべ、かなり話し込んじまったな、わりぃ」
「大丈夫!じゃあまたね!」
言って電話を切った直後ほっぺに激痛が走った。
いきなりのことで何が起きたかわからなかったが、景の顔を見ると怒りに満ちていた。
え、私…景に殴られた?
「今の…御幸一也だろ?」
「えっ…そうだけど…」
何故か急に怖くなって身体が震える。でも景から離れないといけないと思い景から距離を取ろうとするもののズンズンと景は私との距離を縮ませてくる。
「お前さ、御幸のことずっと好きだったろ?もちろん今も」
そういつもの景からは想像できないほど低い声で言われて、更に身体は震える。
「ち、が…」
ガンっと景が壁を殴った後に私のケータイを窓の外に投げ捨てる。
「じゃああんなのいらねーよな」
ニコっと笑う景は、いつもの景ではなかった。
何か…おかしいよ。いつも笑ってくれてたじゃん。
確かに一也のことは好きだった、家族としての意味で。
初めの頃は確かに一也のことを忘れるために…と利用した。
でも今ではちゃんと景のことしか見ていなかった。
「け、い…どうした、の?」
「…どうしたじゃねーだろうがっっ!!!」
そう怒鳴って私の首に手をかけ思いっきり首を締められる。
「グッ…く、る…し」
「苦しい?苦しいのは俺なんだよ…知ってるぜ?ずっと御幸のこと好きだったの」
「昔から御幸の後付きまとってたもんな?」
「俺のことバカにしてんの?」
そう言いながらも景の手は力が緩まる所かどんどんキツくなってきて視界がぼやけてきた。
私ここで死んじゃうのかな…ちゃんと伝えないのに何も言えない。
「っ…!!!…け、ぃ…」