「っ!!!………ルイっ!!!」
名前を呼ばれて目を覚ますと必死で私の名前を呼び続ける一也がいた。
「か…ず、やぁ」
「ルイっ!!!よかった…本当よかった…」
そう言ってそっと私の身体を一也の腕で包み込まれる。
一体何が起きているのかわからない、頭がボーッとしている。
周りを見渡せば、私と景が過ごしてきた部屋…そしてたくさんの警察。
「何…が、あったの?」
そう一也に問いかけるも、警察の優しそうなおじさんに目覚めたんだね。と声をかけられる。
その後にそのおじさんにちょっと署の方まで来てもらってもいいかな?と言われ余計に頭の中が混乱するも、一也に大丈夫だから、ちゃんと迎えに行く。と言われそのままパトカーに乗った。
警察署に着くとなんだかよくわからないまま部屋に案内されてさっきのおじさんが入ってくる。
なんでも、一也が私を心配してあの部屋えお警察に見晴らせるように言っていたらしく、大きな物音がしたので中に入って私のことを助けてくれたらしい。
そしてその場で景は警察に連れて行かれて、連絡をもらった一也が来たところで目が覚めたらしい…。
「きっと思い出したくないと思うけど、話聞いてもいいかな?」
「…はい」
「あ、ちゃんと女の警官を呼んだから大丈夫だよ」
そう言っておじさんと入れ替わりに女の警官の人が部屋に入ってきた。
それから景との話を聞かれたり、身体中のアザや怪我を見られてその日は家に帰ることになった。
外に出るとベンチに座っている一也を見つけた。
「…一也」
「…ルイ!!」
私に気がついた一也は走って私の元にやってきてくれて力強く抱きしめてくれた。
「ったく、心配させんじゃねーよ…バカルイ。」
「ご、めんな…さい……」
でも、無事でよかった。もう大丈夫だから。と言ってくれた一也の優しさに急に今までの恐怖が蘇ってきて私は涙を流した。
終わったんだ、景からの恐怖に逃げることも毎日毎日、怯える生活も、全部。
「さぁ、帰ろうか。今日は疲れただろ?」
そう言って私と一也は自然にどちらともなく手を繋いで家までの道を歩いた。