どれだけ暴力を振るわれたって私はあの優しい景が忘れられない。
こんなんじゃダメなのはわかってるつもりだし、一也やお母さん達にもとっても心配をかけているのはわかっているのに、どうしても私には離れる選択肢は無い。

『まじでっ!!本当に付き合ってくれんの!!?うわー、夢みてぇ』
『俺。絶対ルイのこと幸せにするから』

景に告白されて返事を返した時にそう言ってもらえた。
私には勿体無い言葉だとも思ったけどとても嬉しかった…。

「みなさんに心配かけてるのはわかってます…それでも……」

「私は今は離れることはきっとできません…」

みんなの顔を見てヘラっと笑ってみる。

笑えてるかはわからないけど、私なりの強がりだった。


「わかった…無理にとは言わない…」
「おいっ!!御幸っ!!」
「ルイがここまで言ってんのに無理矢理離すわけにもいかねーだろ」
「そりゃ…そうだけどよ…」
「一也…倉持…ごめんね……」

そっと哲さんが頭を撫でてくれる。

「哲さん……」
「俺も御幸と同じ意見だ。でも無理はするな。限界が来たら俺たちを頼ればいい」
「…俺も正直なんもできねーけど、頼ってこいよ!!いつでもかけつけっからよ!!」
「純さん…あり、がとうございますっ」

あぁ、私本当いつからこんなに涙もろくなっちゃったんだろ。
ポロポロとまた涙が溢れてくる。
本当は辛くて逃げ出したいって思ってる自分もいるのかもしれない。
それでも自分で決めたことなんだ。
景も話せばわかってくれるよ…ね?


そのまましばらく泣き続けて、落ち着いた所でみんなに家まで送ってもらった。
よかった、景はまだ帰ってなかった。

「みなさん、今日はありがとうございました」
「気にすんなよっ!!」
「そうだ、俺たちはいつでも味方だからな!!」
「おう!いつでも頼ってきやがれ!!」

みんなに見送られながら私はまた一人部屋に戻った。







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